IKEA初め

2015年01月26日
仕事が一段落したので、IKEAに行ってきました。
ベルリンには西、東、南にIKEAが三店舗あり、
郊外のシェーネフェルト店も含めると、
ベルリン人は四店舗ある内、一番近い店を選べるという
わりとIKEAに恵まれた(?)環境にあります。

今回のお目当ては家具ではなく、一階の雑貨コーナー。
ここに来るとついアレもコレも欲しい…と目移りしてしまうのですが、
家族と一緒に来ると、
「人が多くてダリィ~」
「ママー、疲れた~」
「早く会計して外出よう」
「おしっこ~!」
と常に邪魔が入り、必ず急かされることになるので、
あえて家族は置いて行きます(。・ω・)。

土曜日はきっと混雑するだろうからと
早起きして十時半には現地に着いたのですが、
開店して三十分しか経っていないのに
食堂がかなり混んでいてちょっと驚きました。
住宅街にあるIKEAだったのですが、
近くに住んでいる人がブランチしに来ているのでしょうか…?

IKEAの根強い人気を感じたところで、
雑貨コーナーをじっくり見て回り、
必要なものを一通りゲットしました。
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戦利品(というほどではありませんが…)
その1:壁掛け時計
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日本とドイツの時差は8時間(サマータイム期は7時間)。
こちらで朝7時に起きてすぐにメールチェックをしても、
日本ではもう午後3時なんですね。
メールを書いていてふと
「あれ、今日本は何時だっけ?」
なんて思うことがあるので、時計を二つ並べてみました。
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下に「Berlin」「Tokyo」というプレートを作って貼れば
言うことなしです。

その2:卓上ランプ
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その3:小さな温室
といっても植物を入れるわけではなく、
ひそかに収集している食品サンプルを入れてみました。
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最後にCMです:
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ドイツ語版「テラフォーマーズ」第3巻が出ました。
表紙は私の大好きなミッシェルさん。
お手に取って頂ければ幸いです。


クリスマス、大晦日、お正月休みが来れば
幼稚園や学校も当然ながら冬休みに入るので
子供と一緒にDVDを観る機会も多くなるのですが
こちらで買ったドイツ語吹き替え版の
「崖の上のポニョ」のDVDを観ていて
気がついたことがひとつ。

DVDは日本語版も観られるので、
ドイツ語版で観たり、日本語版で観たりと
その日の気分(?)によって選べるのですが、
日本語とドイツ語訳の台詞それぞれに
国や文化が現れているような気がして、聞き比べると
これがまた面白いのです。

たとえば、奇妙な恰好をしたフジモトを
初めて見たリサが、車内で呟くシーン。

日本語では確か、
リサ「なによ、あの不気味な男。
なーんて言ったらダメよ、宗介!
人は見かけじゃないんだからね」
宗介「僕、言わないよ!」

と、大体こんな感じだったと思うのですが、
DVDのドイツ語版では、

リサ「なによ、あの不気味な男。
なんて他人について言うべきじゃないってことは分かってるけど。
宗介、今見たものはさっさと忘れなさい」
宗介「もう忘れたよ!」

といった内容になっていて、この台詞を聞くと、
リサの能天気さが薄まった代わりに、
少し理屈っぽくて歯に衣を着せない性格の人といった
印象を受けるのです。

が、これがドイツ語だと妙にしっくり来るというか、
ドイツ人のお母さんだったらフジモトを見た後、
きっとこんな風に呟くだろうなあというか、
むしろそのまま訳すよりも
はるかに自然な仕上がりになっているように感じられるのです。
(もちろん、「ポニョ」のDVDを訳している方ですから、
とても優秀な翻訳者様なのだと思います)

同じ数秒間で、日本語よりはるかに
多くの台詞を口にしているリサを見ていると、
確かにドイツ人ってこんな風に喋るよなあ、
しかも他人に弱点を突かれないよう、
全部先に説明しておこうとするんだよなあ、
と、一種の「あるある」のように
個人的に頷ける点が妙に沢山あるのです。

さらに、ドイツの人には
いわゆる「不思議ちゃん」ぽい性格
(リサにも多少当てはまりますね)は、
あまり理解されない気がするので、
必然的に理屈っぽい話し方になってしまうのかもしれません。

映画やアニメの字幕翻訳などを見ていると、
一対一で訳すことが必ずしも
相手の国の人に上手く伝わっているとは
限らないんだな、と思います。

翻訳者は裏切り者と言うけれど、
なるべく読者を裏切らない訳者になれるよう
今年も努力していきたいと思います。